『リクルートという幻想』を読んで ー社長の日記

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すっかり秋になり肌寒い季節になりましたね。
最近では睡眠時間7時間でも睡眠が浅いnakafukuです。

今日は常見陽平さんの『リクルートという幻想』という本を読んだ感想などをご紹介します。

以下、私なりに気になった箇所を抜粋しました。

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この本は、リクルートという企業にまつわる幻想を検証すること、それを通じて同社だけでなく、
日本の企業やビジネスパーソンのこれまでとこれからを考える本である。(はじめに)

リクルート事件と並ぶもう一つの「事件」
「人を採れ、優秀な人材を採れ、事業は後からついてくる」江副浩正氏はこう語ったのだという。
88年、リクルートは1000名を超えるマネージャーや先輩リクルーターが普段の業務を超えて協力し、6万人の学生に会い、1037名を採用した。
この代は「1000人採用世代」と言われる。
採用担当の専任職は140名、その人件費・一般管理費は30億円、採用予算は総額86億円。採用する学生1人当たりの投資は約830万円だった。

採用武勇伝の数々
寿司屋を貸切にした…
東大法学部の学生のほぼ全員に会った…
理系の大学生に見せびらかすために事業用に持っていたスーパーコンピューターをもう1台、10億円で購入した…
国際志向の学生を採用するために米国法人をつくった…

「入りたい人」より「欲しい人」

そもそもリクルート社員は「優秀」か?
所詮、「優秀」とされる基準はいかに数字を上げて、社内で評価されているかどうか、昇進・昇格(最近の言い方であれば、管理職への任用)が早かったかどうかでしかない。
「自分の市場価値を上げろ」なるメッセージを社内でよく聞いたし、中途採用系の媒体でもそんなメッセージを読んだと記憶しているのだが、それは所詮、社内の評価でしかない。
(中略)
リクルート社員は、「優秀」という言葉に踊らされ「優秀」であるべく仕事をし、結果「優秀」だと誤解されている幻想なのである。

営業トーク開発に見る「リクルート話法」
人を煽りたてるような、時には脅迫するような話法である。(中略)この営業トークは、営業企画を担当する部署が開発することもあれば、営業の課で自然に生まれてくるものもあった。

WIN-WINとは言うけれど…
このように、リクルートでは営業トークの開発を行なう。いや、営業マン自体が、売る事に魂をかけているのだ。ただ、これが負の方向に働くと、単に人を煽り、騙す手口になるのである。

リクルートの営業力は強いのか?
結論から言うならば、「強い」と言われたのは、一部の伝説が誇張して伝わっていたのではないか。そして、単に強い、弱いの議論ではなく、やり方が変わっているのである。
(中略)大手玩具メーカーの人事部に勤務し、さらには人材コンサルタント業として顧客に同席するなど、リクルートグループから営業を受ける機会が多々あった。結論からいうと、実に残念だった。信じていた者に裏切られた気分だ。リクルートの営業力を私は過信していたのだろう。
社内にいた際に、トップ営業マンとして表彰されていた人たちに営業を受けたのだが、元々知っている人ということで、できるだけ評価しようとしたものの、きわめてストレスのたまる営業だった。「コンサルティング営業」なる言葉は名ばかりで、企画提案を考えてこない、データの読み込みが甘い、私が元社員ということもあるのだろうが態度が横柄…。「おかげ様で、グループ全員、目標達成しました!」というメールを送りつけられた時には、さすがにカチンときた。

初期リクルートと東大心理学
なぜ、リクルートはモチベーションが高いのか?
江副氏は東大で教育心理学を、大沢氏は東大の大学院で心理学をそれそれ専攻していた。リクルートの初期の役員や幹部には、心理学科出身が多かったと言われている。
ここではリクルートの「動機付け3条件」が提示されている。ポイントは3つだ。
1. 自己有能性の実感
仕事を通じて自分に力があることを実感できるようにする。
2. 自己決定性
自分の仕事は自分で考え、計画し、チェッックする。自由裁量幅を大きくするだけでなく、自己責任も伴わせる。
3. 社会承認性
自分の努力、成果が周囲に認められている事を実感させる。
これらはマグレガーのXY理論やハーズバーグの二要因論などから構成されたものだ。
そこから「カオスの演出の5要素」なるものが組み立てられる。
この特集で江副氏の言葉によると
「1に採用、2に人事異動、3に教育、4に小集団活動、5にイベント」だ。
安定、静止の均衡状態は現状案中の不活性組織を生む。それを回避し、自己変革可能な組織をつくるために、無秩序やカオスの創造が必要だと考えたのだ。

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この本にはリクルートの“あるある”が盛りだくさんでした。リクルート出身者、もしくは現役社員は興奮して読めること間違いなしです。
また、私の知らないリクルートも盛りだくさんでした。
リクルートという会社を内と外で詳細に観察し、上場後の未来について提言すると同時にOBとして喝をいれるとても愛のあるビジネス本です。

経営層やマネジメント職の人にとってはリクルートという会社を多面的に知る事で、
自社に活かせる点をいくつも見つけることができると思うので必読書だと思います。

Twitter:@shoma0717

facebook:shomanakafuku

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Shoma Nakafuku

株式会社Cajon 代表取締役CEO 座右の銘「人生は素晴らしい冒険か、さもなければ無である」 株式会社リクルート('08〜'11) → 株式会社Cajon設立('11〜現在)。 経営とマーケティングをこよなく愛する29歳。 Twitter:@shoma0717 facebook:www.facebook.com/shomanakafuku